先日の処分でも手元に残った「ヨコハマ買い出し紀行」。今夜薬を飲んでも眠れないので、1巻から読み返してるんだけど、やっぱ面白いのよね。で、何がどう面白いのか、書いてみたらどうなるか。
当然ですがネタバレだらけなのでこれから読みたい人は読まないように。
・時代設定:∀ガンダムと同じ、でいいのかどうか。高度文明は(何らかの理由で…戦争?)衰退してしまって、ほぼ現代と同じようになっている。温暖化を意識したものと見えて、海面の上昇による陸地の減少と、木や草が異常に大きく成長している、という特徴がある。アルファさんを始めとして複数の人間そっくりのロボットが登場する。その時点でも生産が続いているかどうかは分からない(たぶんしてない)。日本は「ムサシノの国」などいくつかの自治国に分かれて統治されているらしい。各国ごとに議会があるようなので、政治制度は議会民主制なんだろう。第1巻の折り返しにある文章~「お祭りのようだった世の中がゆっくりとおちついてきたあのころ。のちに夕凪の時代と呼ばれるてろてろの時間、ご案内。夜の前にあったかいコンクリートにすわって。」からすると、すぐに人類が滅亡するような危機的状況ではない。コミックス全14巻で十数年、もしくは(最終巻では)数十年が経過しているが、大きな変化はないようだ。
・登場人物:主人公のアルファさんはロボット。A7M2型と呼ばれる。A7量産試作機M2型とも。同型はアルファさん含めても3体しか居ないらしい。他にロボットとしてはムサシノの国に住んでいた鷹津ココネと丸子マルコ、ナイ、アルファさん(1号?)が登場するが、ココネ・マルコ・ナイはアルファさんより後継のA7M3型、アルファさん1号は型が明記されていないが、主人公のアルファさんの前であるらしいのでおそらくA7「M1」型ではないか。この人(人じゃないけど)たち、人間より人間っぽいところがある。規格型でありながら個性がある。昨今人工知能についてとやかく言われるが、そんな生易しいものではないと思う。
ロボット以外だと人間で「おじさん」「タカヒロ」「マッキ」「アヤセ」が名前の付いてる登場人物かな。この作品、「悪人」が登場しない。良い人ばっかり。そんな都合のいい話があるか、と思われる向きもあろうが、これはそれで良しとしていただきたい。すなわち、物語は平和にしか進行しない。
・ストーリー:主人公のアルファさんとその周りの人々(ロボット含む)の日常と成長を描く。アルファさんたちロボットは老化しないが、タカヒロやマッキなど人間の登場人物は歳をとる。この人間の成長は11巻でタカヒロが地元を離れるところから一気に加速し、最終巻中盤ではタカヒロとマッキは結婚して子供ができてる。最終話になると横浜のコーヒー屋の店員が爺さんになってる(初登場時は20代くらい?)から、60年くらい経過したんではないか。60年の経過は11巻から徐々にスピードを上げて最終14巻まで一気に進むので、逆に言うと11巻までの時間の流れは凄くゆっくりだ。「ゆっくり」なところがこの作品のいいところだと思う。
…ごめんなさいこれだけ書いて疲れた。ネタバレしてるけど、興味が湧いたのなら是非に。名作と信じて疑わない。
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