【例の野良猫】もうすっかり寒いので毎晩来る。ほっておくと一晩に2回来る。大体21時ごろと24時過ぎ。そりゃ人と一緒に寝たら暖かいもんなぁ。俺としても君が暖かいだけなら喜んで招き入れるのだが。蚤が居なけりゃな。網戸の向こうで切なそうに鳴いてるのは哀れに思えるが、コイツ結構面白くて、部屋にあげなくてもベランダでしばらくモフると満足するらしい。尻尾の付け根トントンが効く。モフった後無情に窓を閉めると「え？　終わりなの？　それで終わりなの？」っていう顔はするが、閉めた後は特に騒ぎもせずどこぞへと去ってゆく。まぁ他にもアテがあるのであろうよ。俺は決して君のことが嫌いじゃない、その欲望に忠実な行動はむしろ好ましいが、でもあれだけ蚤で苦労させられてはもうウチに上げる訳にはいかないよ。なんとかこの秋冬も生き延びておくれ。