2013/05/14

マンガ GUNSLINGER GIRL 第15巻(最終巻) 相田祐

http://www.amazon.co.jp/dp/404891278X
ガンスリ完結。最後の戦いで生き残った義体は1期生=リコとクラエス、2期生=ペトラ(2期生については他に生存者が居たかもしれない)。死の間際はジョゼとヘンリエッタが一番悲惨だったかな。実質心中だし。ヒルシャーとトリエラは生き残るんじゃないかと期待してたがダメだった。社会福祉公社は解体され、リコとペトラは最期の戦いから1年以内に死亡したらしい。物語完結時点で生存者はクラエスだけだった。いやしょうがない、これは(内戦とはいえ)戦争を描いたマンガだから、死者が多数出るのはしょうがない。ましてや義体の少女たちはたとえ戦闘で死ななくても余命の短い身だ。ヘンリエッタにしてもトリエラにしても、最期は最愛の人と死ねたのだからまだマシではないか。…いや死なないで欲しかったけどね。最終話「希望」で、ヒルシャーの遺言に従って、保存されていたトリエラの卵子によりロベルタが妊娠・出産したと読み取れるのは、ギリギリだけどまだ救いがあった、と言えるのだろうか。(このマンガの舞台はイタリアだけど)テロは全世界的に数が減ってはいない。もちろん少女を改造して超兵士に仕立て上げて対テロ戦闘をやらせる、なんてのはフィクションでしか有り得ない。だけど、テロが無くならない限り死ななくてもいい人が死んでしまうのは厳然たる事実で、今まさに殺人テロが起きているかもしれないのが現実だ。このマンガは美少女が肉体的に改造されて超兵士となり、各種重兵器を持ってテロリストを殲滅するのがメインだから、「なんで少女を改造するんだ気持ちの悪い」っていう誹りはあると思う。私としては作者を擁護しておくと、作者はテロと対テロの戦いは悲惨で虚しいものだ、と言いたかったのでは。いやテロに限らずすべての戦争に対し同様に。…もちろん、「戦争はいかんよみんな仲良く」なんて都合の良いお題目唱えたって何にもなりゃしない。なりゃしないけど、我々一般人ができるのはせめて祈ることだけだよね。作者も祈っているのだと思う。いずれにしても個人的には大変面白く読ませていただいた。相田センセ次はほのぼのやるかな。もう血なまぐさいのじゃなくて、普通に女子が可愛い! ってできるヤツを描くかしら。新作は楽しみだ。